人から良く思われようと努力をしすぎていないか? 自己の本質を捨て承認欲求だけを追求することは,多くの問題を生むことになる.これが過剰適応(overadaptation)である.
外的適応:社会や現実の要求に応じて,自分の属性を変化させていく過程
内的適応:内面的に幸福感と満足感を経験し,心的状態が安定していること
過剰適応とは外的適応が重視されすぎ,内的適応を軽視した状態である.
過剰適応者は,一見,環境に適応しているように見えるが,その内側は,不満や不安を抱えている.過剰適応者の心理は,嫌な奴だと思われるのではないか,周囲に受け入れてもらえないのではないか,という不安である.彼らは他者から良い評価を得ようとしている.すなわち,承認してもらうことである.この時,怒りや不満は抑圧されてしまう.この結果,抑圧された不満は心理・身体的な症状となって現れてくる.
相手から嫌われないように配慮して,自分の考えを変更しても相手に合わせる.相手が話している内容から,その人の考え方の(一部を)読み取って,それをもとにしてその人が好むようなことを言う.相手から嫌われるのも,相手から怒られるのも,議論になるのも怖い.すなわち,家族の雰囲気や学校での緊張感,雰囲気,空気などを読んで,相手を怒らせないように,トラブルが起きないように配慮して,自己犠牲的に周囲に合わせようとする.このような性格特徴が「過剰同調性」である.
■ひたすら相手の表情と状況を読んで,機嫌を損ねないようにする
■家庭や学校という場の雰囲気を読んで,自己犠牲的に周囲に合わせてきた
■親の期待にそって生きてきた.「いい子」だったといわれることが多い
■相手の責任を追求したり,攻撃的態度に出たりすることは少ない
■自分の欲望,主張,意見より,相手の意向を尊重する
■悪いことが起こると,周りを責めるのではなく,自分を責める
■人に対して不安,不信や怯えがある.(これはいじめの経験が原因のこともある)
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