■青年期精神医学

1.不安定が常態(あたりまえ)

アンナ・フロイトは「青年期に関する限り,正常な過程を記述するよりも,病的特徴を記述するほうが容易に思える.・・・・青年期はむしろ安定した平衡を維持する方が異常である」と述べている.このように青年期は不安定な世代であると位置づけることができる.

2.親子関係より友人関係の大切さ

サリバンは,前思春期における親しい仲間との交友の重要性を指摘した.青年期においても,親しい友人の持つ意味は大きい.この青年期を乗り越えるために重要なことは,親しい友人との助け合いだろう.特に親との関係よりも,不安と孤独を和らげ,励ましてくれる友人との関係を重視してゆくように勧めたい.

3.症状に振りまわされない

不安定であるため,心理的防衛機制も一貫性を欠き,行動化(過食,家庭内暴力,家出,手首自傷,異性問題,薬物問題など)に走りやすい傾向がある.これは副次的症状であり,それに目を奪われないことが大切である.

4.親も子も過剰な内省が混乱を強める

「自分のことを話す力を伸ばす」ことよりも「他人の話をすなおに聞く力」が重要ではないか? 思弁的(頭でっかち)にならせないこと

5.自分で治す力を損なわない